鼻をちんとかんで振り返ったらコミ箱に袋が入っておらず、
思わず野暮ったい暴言を吐いてしまった花粉症な今日この頃。
溺れる人
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個人的評価:★★★★
ドラマ化した小説が表題作のノンフィクション短編集。
人それぞれに大変なドラマがあるのだと改めて感じさせられた。
メインはやはり表題作なのだろうが、どの短編もそれに負けないくらい
大変な力作で、一般の人にもこんな風に表現し、考えを訴える事が
出来るのか、と感じ入った。なので逆に審査員の辛口批評も見物。
あー、こういう視点で審査したりもするのだなあ。文章で食べていくって
すごい大変な事です。
「この題名があまりにもひどい」。
そんなところまで辛口かい!と思わず林真理子(紙)に突っ込んだ
訳ですが、考えてみれば題名で入る人も多いわけで、サクセスストーリーで
あっても中学、高校生が付けるような青臭い題名じゃいけないのだろうなあ。
文章で食べていくってすごい大変な事です。2度目だけど。
あと嬉しかった事と悲しかった事のバランスが取れていないと
文章としては面白くないとも。なるほど。
「溺れる人」
描写が鬼気迫るものがあります。二日酔いにすらなった事がないので、
症状の辛さは想像で補うしかありませんでしたが、
体の全細胞がアルコールを欲しているという表現を納得させる、
酒の為ならなんでもするし、やめるためならなんでもするといった、
矛盾行為とその内容のすごさは必見。
あと批評にも書いてありましたが、映画を使う導入はすごくうまい。
思わず引き寄せられました。映画もみたくなる作品。
主人公以外の登場人物の描写もちょうど良いです。
「夜はこれから」
横道にそれてそれが本道になったかと思いきや、結局戻ってきたりして、
人生何が起こるか、どう変化していくか分からない。としみじみ
思わせる作品。出だしのタクシーの運転手に笑わせて頂きました。
個人的一大事と読者にも一大事と思わせる表現がうまい。
「人生どんとこい」
内容盛りだくさんで、人間興味を持てばこんなに色々な事に
挑戦出来るんだ、と感心してしまった。
まさに題名の如く、どんとかまえる主人公のふとっぱらぶりに注目。
夫が不倫してても「夫を世話してもらおう」という考えが
裏切られたと思う感情を包み込んでいる。こういう考えの持ち主でなきゃ
多角経営はできませんや。でもこの人の子供にはなりたくない。
「夏樹と雅代」
この作品集の中でこれが一番パンチが弱いように感じた。
夏樹がどういう風に苦労してきたか、例えば喋り方は実際どう
聞こえるのかといったこの障害の大変さをより書き込んでいれば、
最後のカタストロフィはもっと強くなったのでは。
読みやすさを考えた上での構成だろうが、やや残念。
「自分を信じて」
そんなに題名ひどいかなあ。と思う素人な訳ですが、
ブロードウェイの舞台の裏側、ダンサーの苦労を分かりやすく
書いていて、興味深い内容です。舞台中に秘密裏で行われる
水曜日の殺人ゲーム、見てみたいなあ。気づかないだろうけど。
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