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イヌミチ
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無痛 無痛 

著者: 久坂部羊
出版社: 幻冬舎
サイズ: 単行本
ページ数: 508p
発行年月: 2006年04月

個人的評価:★★★★★

心神喪失者の行為は、罰しない。 2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。
『刑法39条』。本当の心神喪失者なのか、それとも偽っているのか。
心の状態は、誰に推し量れない。どちらかだと判断しなければならない場合、
事態に直面した時、だれもが思う。
真実を教えてくれる誰かがいないか、と。

この話にはその「真実を教えてくれる」人物が登場します。読心術をもつとか、
異常な力をもつから、というわけでもなく、それなりの判断根拠を
見いだせるからであって、彼等はスーパーヒーローではありません。
あらすじを読むと彼等は超人間なのではないかと思ってしまいますが
(自分だけか)、普通の人間です。一応。

刑法39条というのは難しい刑法でして、以前は心神喪失者であろうとなんだろうと、
人を殺めたならばそれ相応の処罰を受けるべきだし、罰しないなんてもってのほか、と
思っていましたが、この本をよんでから少し意見が変わりました。
まあ、両極端で無くなった、というだけなんですが。
本当の心神喪失者ならば、この刑法39条は適応されるべきなのでしょうが、
これを逆手にとった輩も出てくるわけで、この本は人間世界を法律によって白か黒かと
決めつける難しさ、そして身近に起こりうるかもしれないと思わせるリアルさをもって、
怒濤の勢いで読者を巻き込んでいきます。描写がすごい。生々しくかつ無駄がないので
鮮明な情景が頭に思い浮かびます。「ハンニバル」が読めない人は少しキツイかも。
…これはスプラッター物になるのか?

もの凄く面白く、そしてとても後味が悪く、かなり考えさせられる一品です。
お勧め。
頭使う本はいつにもまして文が滅茶苦茶だね!

関係ないけど著者は二次元が好きなんですかね。著作に結構出てきます。

【以下ネタバレ含】
でも刑法39条があったとしてもイバラは厳しく処罰されるべきだと思う。
一番罰されるべきはエリート医ですが。彼は勝手に行動するナイフを
つくりあげてしまったわけで、取りあえず日本に帰ってこい!
でもトミィにとっては恩人になるからねー、むずかしいねー。

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イヌもあるけばミチとなる。 橙、虹色、みちはいろいろ。 読んだ本やら映画について、悪文をまき散らして 紙魚になってみたいなどと呟くブログ。
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 好きな本:旧約・新訳聖書
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 読んだ本の内容を忘れて
 また読むという事を無くす為に
 開設。 ああしかし文章は
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