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石の庭園
石の庭園
著者: モリー・モイナハン星野真理
出版社: 中央公論新社
サイズ: 単行本
ページ数: 363p
発行年月: 2006年07月


個人的評価:★★★★

読み始めて、ああ、青春小説ってやつか、と少しうんざりした。
「ライ麦畑でつかまえて」を思春期に読んでも共感出来なかった自分には、
これを読み終えるのは難しいだろうなと。
元々思春期特有というか、なんというか難しいが、
「大人は皆ずるがしこい、自分はそれに耐えられないし、
 受け入れられない。でも大人には自分を守る義務がある。
 反抗してもあなた方は受け入れなければならない。」というような
強烈な自己愛ぶりは苛々しちゃってみてらんないす。
この「石の庭園」もそういう青臭い話なんじゃなかろうか、と思った。

しかしこれはちと様子が違う。確かに青臭い面もある。
けれども、いやだいやだと思いながら読んでいたのに、いつの間にか
この続きはどうなるのかしらんと、急いでページを捲っていた。

主人公アリスは周りを拒絶しながら、けれども少しずつ受け入れていく。
その感情が、丁寧に書いてあるから共感が出来る。
自分で考えて考えて、行動を決める。もちろん年相応の少女として。
最初と最後の彼女を比べると、明らかに変化しているのがわかる。
周りの人物もユニークだ。そして、皆悩みを抱えている。
書いてある内容はとても汚くて、悲しいことなのだけれど、
読んでいると心が澄んでくるような気がしてくる。描写が上手いのだなあ。

外国の若者も、日本の若者も、やることは違えど、
考える事は変わらないのかも、と思った。
高校生の方々に読んで頂きたい本です。

好きな場面は、刑務所での語らいと、最後の手紙を読むところ。
突き刺さる繊細な痛みと、しっとりとした感じが好き。
フランクの言葉は拙いけれど、重みがある。

〔以下ネタバレ含〕
でもドラッグやってるのは許せないんだよなあ。
向こうは日常的な事かも知れないけども、やらないで居て欲しい。

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イヌもあるけばミチとなる。 橙、虹色、みちはいろいろ。 読んだ本やら映画について、悪文をまき散らして 紙魚になってみたいなどと呟くブログ。
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 好きな本:旧約・新訳聖書
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 読んだ本の内容を忘れて
 また読むという事を無くす為に
 開設。 ああしかし文章は
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